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陳子昂「春夜別友人」


第48回「日本の書展」のブロマイドと図録が手元に届きました。
大阪展、中部展は残念ながら中止になってしまいましたが、
今のところ私の出展した東京展は今のところ開催予定です。

変更がなければこちらにの日程になります。
■東京展 6月11日(木)~6月21日(日)
国立新美術館(1階展示室 1A-1D) ※16日(火)は休館日

【春夜別友人】− 陳子昂

銀燭吐青煙,金樽對綺筵。
離堂思琴瑟,別路繞山川。
明月隱高樹,長河沒曉天。
悠悠洛陽道,此會在何年。

銀色の光にかがやくともしびは、青い煙を吐いて燃える。
黄金づくりの酒壺は綺羅を飾った宴席の前で、美しい光を放つ。  
この華麗な送別の宴が開かれている部屋では、琴や瑟が別離の思いをこめた曲をかなでる。
思えば別れ行く君の旅路には幾山河がめぐり、へだてていることだろう。
明月は落ちかかって、高い木のこずえにかくれた。
天の川も、夜明けの空に姿を消してゆく(とうとう別れの時がせまったのだ)。
洛陽までの道は遠い。
君とふたたび、こよいのような宴会をひらくのは、いつの年のことになるであろうか。


※「銀燭」=もとは宝物の名で、灯火のように光る銀のことだというが、通常は白銀のような清らかに美しい光を放つともしび。
※「金尊」=黄金づくりの酒壺。
※「綺筵」=綺羅を飾った宴席。華麗な宴会。
(「綺」は綾織りの絹布、「羅」は薄い絹布。)
※「離堂」=別れの宴をもよおしている部屋。
※「琴瑟」=どちらも弦楽器。瑟も形は琴に似て、絃の数は19本・25本・50本などのものがある。
六句目「長河」=天の川。


題中の「友人」が誰のことかははっきりしないと、
出典の『唐詩選』岩波文庫にはあります。
友人の旅出にあたっての「華やかな送別会の席上」で作ったものだということで、
そういう送別会の模様が伺える作品です。
南斉の謝朓(南北朝時代:400年代)の作品に
「離夜」というこの詩と共通のものがあるそうで、
作者はその詩を意識しながら作ったのであろうと同解説にあります。

半切1/3サイズにも書いています。
(日本の書展に出したサイズは、半切です。)

「第82回謙慎書道会展」も中止になり、
「第37回読売書法展」開催延期決定、、。
出展に向けて練習していましたが、いきなりの虚無。笑
ですが、練習時間が1年伸びたっていう前向きな姿勢に変えて、
引き続き練習していきます…。

(すみません、今日元気なくて。)