I LOVE YOUの訳し方
この前Instagramのアーカイブを見ていたら、
一年くらい前にstoriesでアンケートを取っていたんですね。
「月が綺麗派」か「死んでもいい派」か。

ちなみに2019年は圧倒的に
「月が綺麗派」の夏目漱石パイセンが勝っていますね。
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そもそものこのアンケートの発端は、こちらの投稿。
「恋バナ的なの聞いてて展開が羨ましい感じだったので「何それ、月が綺麗かよww」て突っ込んだら、通じなくて、いちいち説明してる私ちょーダサい🥰」
⬆︎芸人が自分の漫才の構成とかオチを説明するくらいダサいですが泣。
この「月が綺麗ですね。」って英語教師「夏目漱石」の逸話が由来となっています。夏目漱石が英語教師をしていたころ、教え子が「I love you.」を「我、君を愛す」と直訳したところ、「日本人はそんなことは言いません。月が綺麗ですね、とでも訳しておきなさい。」と指摘したそうです。
この逸話を記した文献は残っておらず、いわゆる都市伝説ではないかというのが現在のところ有力です。日本語という言語の特徴である奥ゆかしさが感じられ、どこか形容し難い情緒があるのは確か。日本最高峰の文学者がそんな表現していたとしても「まぁおかしくはないよな」と思う人が多くいたからこそ、この逸話が世間に広く流通したのだと思います。
続いて、二葉亭四迷パイセン。
二葉亭四迷パイセンは、I love youを「死んでもいいわ」と訳しました。この逸話も相当広く流通している。まじめな学者が書く論文にも、さらりと紹介されていたりするけど、こちらも二葉亭四迷がI love youを「死んでもいいわ」と訳したとするのは正確な事実とは言えないみたいです。
ちなみにこの二葉亭四迷の由来は、処女作『浮雲』に対する卑下、特に坪内逍遥の名を借りて出版したことに対して、自身を「くたばって仕舞(め)え」と罵ったことに由来しますw文学に理解のなかった父に言われたというのは俗説。くたばってしめぇ、、さすがでっす、笑。
実は「I LOVE YOU」を様々な作家さんたちが訳した1冊の本があります。
『I Love Youの訳し方』(雷鳥社)
良い感じの少し紹介しますね♡


もう一度お逢いして、その時、いやならハッキリ言って下さい。私のこの胸の炎は、あなたが点火したのですから、あなたが消して行って下さい。私ひとりの力では、とても消す事が出来ないのです
太宰治 『斜陽』より
思い出さないでほしいのです。
寺山修司 『思いださないで』(新書館)より
思い出されるためには
忘れられなければならないのが
いやなのです
二人きりでいつまでも話していたい気がします。そうしてKissしてもいいでしょう。いやならばよします。この頃ボクは文ちゃんがお菓子なら頭から食べてしまいたい位可愛い気がします
芥川龍之介『塚本文子へ宛てた手紙』より
さようなら。もうお目にかかりません。
江國香織 『ふりむく』(マガジンハウス)より
でもすこしだけ、誰かのものになれてうれしかった。
先生、首をしめてもいいわ。
川端康成 『みずうみ』(新潮文庫)より
うちに帰りたくない
ちなみに、1枚目のアンケートで
「私はやすなりがすき」って書いてあるけど、
この“やすなり”はこの↑川端康成です♡笑
「首をしめて」ってって言うのはちょっと過激なんだけど、なんだろう。なんか結構好きな事いってるんですよ。カワバタさん。↓これとか大好き!
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この作品今ロサンゼルスにあるから、また新しいの作ろうかな♡
「あの作品は睡眠薬を飲んで書いたから、私にも訳わからないんですよ。」
とか言っちゃうところが何とも言えない。笑

あ、2020年最新版です。笑
まさかのくたばってしめぇパイセンがだいぶ良いところまで票を獲得!来年もやるかなコレ?(いや、やらなくて良いよね笑)