人類最古の染料
天然灰汁醗酵建「本藍染こんや」
阿波正藍の人間国宝、新居修先生のお話を聞く事が出来ました。
藍は人類最古の染料と言われ、世界各地で使われてきました。
エジプトでは3000年以上前のミイラが藍染の布をまとっていたそうで、日本にはおよそ1200年前に中国から朝鮮を経由して伝えられました。飛鳥時代~奈良時代の藍染めによる青色が位色(位に応じて定められた服の色)の中で、天皇の官位12 階6 色のうち第2位とされ、上層貴族階級の人々は藍染めの絹の衣類を着ていたそうです。
※ちなみに1位は紫。
時間をかけて少しずつ染めの技術が進歩して、江戸時代に木綿の反物が一般の人々に流通するようになると、ありとあらゆるものに藍染めが利用されるようになり、藍染めは一気に人々の間に伝わりました。
鎌倉時代は、武士が鎧の下に藍の一種「かちいろ」を身に着ける習慣が定着しました。藍には消炎や解毒、止血の作用があることと、「かち」が「勝ち」と結びつき、縁起がよいとされたのです。サッカーのイメージカラーも日本の伝統色である深い藍色を意味する”勝色”をコンセプトとして起用されています♡
※「ジャパン・ブルー」のルーツは、明治初めに来日したイギリス人化学者、ロバート・ウィリアム・アトキンソンが、町のあちことに見られる藍色を「ジャパン・ブルー」と呼んで称賛したことにより定着しました。

藍染って48色もあるんですよ。
明るい青から黒に近い青まで本当にたくさん。
東京五輪を前に世界に誇る美として評価が高まってきた藍染ですが、実はその大半は化学薬品を主原料としたり、藍を使いながらも肝心の発酵は化合物に頼っているという現状をご存知でしょうか?桂川の清流に臨む「こんや」さんは、「すくも」と天然素材で染め上げる正真正銘の藍染です。
日本の藍は太平洋戦争中、国策により栽培を禁止されました。
理由は戦時中、食糧増産の目的に田畑を使用するためです。
太平洋戦争時に蒅の素である蓼藍(たであい)が禁止作物になり藍師の佐藤阿波藍製造所17代目 佐藤平助氏が憲兵から隠れながら守った蓼藍。その蓼藍が蒅になるには300日かかります。3月上旬に蒔種をし、約1ヶ月後、間引きを行ないます。5月頃になると20センチほどに成長した苗を本畑に移します。7月下旬頃花の出る直前の葉を刈り取り、刈り取った藍は天日で乾燥させ細かく切断します。その後、風に舞わせて葉と茎に分けます(藍粉成し)。9月頃より、この乾燥された藍に水を打っては切り返す工程を行ない、発酵させます。この切り返しを20回ほど行ない、100日間かけて蒅となるそうです。新居先生の爪はネイルをしているかのような青に染まっていました。
現在、藍染めの世界は、日本の古来からの知恵を離れ、手間をかけずに大量生産を可能にするため、どんどんと化学物質を採り入れ簡略化されています。その状況下で江戸から続く『天然灰汁発酵建』は、現在1%未満となるほど激減してしまいました。日本の伝承文化である“発酵”という微生物の力を借りて染める『本藍染』は、管理が難しく、大変に時間と労力のかかる染め物です。
しかし、その効果・効能は素晴らしく究極の染め物と言えます。
・防臭、抗菌、抗酸化作用(消臭)
・即効性のある消炎・鎮痛作用
・保温、保湿、遠赤効果
・肌を活性化させ自然治癒力を高める
・99.9%の紫外線防止効果
・防虫効果(生地を30%堅牢にする)※化学薬品染めは、生地を10%弱くします)
・防火効果
※戦国時代、武将がこぞって鎧の下に藍染を着たのも、その効果効能を体感していたため。

新居先生が身に付けていた、藍染の衣服などは洗っていないそうです。Tシャツも洗っていないなんて、なんという抗菌効果…!そして火にも強くて、あぶっても燃えないと言っていました。(まじか)
私はやっぱり、薄い青より濃い青の方が似合うみたい。
帯も素敵なものばかり。。。♡


上品以外のセリフが出てきません。笑
正絹糸のまわりを藍でコーティングするので、
防虫効果があり孫の代までイケるそう。
やっぱり手間がかかっていて、価値があるものですから
欲しい!買っちゃお!ってならないお値段、、、
絶対いつかGETしたいです。笑