LIMITED

「読めません泣」

みなさんご存知の通り、
私はInstagramに書道の写真をあげています。
適当に書いてみたモノだったり、作品だったり、臨書だったり。
サイズも様々ですが、特に多く寄せられる

「読めません」というコメント。

学生時代に古典が好きすぎて解読に明け暮れていたマニアな人か、大人の趣味か。そういう仕事に携わっていない限り何の古典なのか検討もつかない&スラスラ読めないはず。読めたら逆にすごい。そして今までなぜそのようなコメントに解説をいれていなかったか問題が浮上します。

例えばこの投稿。
半紙に6文字。臨書。

「魏故䮾驤將軍」と書いています。変換して容易く召喚出来るような文字ではないけど、検索してコピペすればすぐに紹介は出来ます。

問題はこの後です。
訓読:「魏の故の䮾驤將軍」
この程度なら注釈も変わらず。

でもきっと「読めない」とコメントしてきている人達が欲しい解説はこれではないんですよ。どんな意味までかが必要になってきます。が、これを説明するとなると「高貞碑」そのものを説明することになってしまいます。碑文は楷書で1行46字。全24行。長いです。Instagramに長々と載せるわけにはいきません。

そもそも書家がしている臨書は、古典を手本にして真似て習うことだと考えられています。文章の区切りなどを気にしないで、半紙に6文字づつ全臨していく…と考えると意味を書く意味も特に無く、、そんなこんなでInstagramで紹介していませんでした。

お次はこれ。これは半切っていう約136×35cmの大きい紙です。
コメントでも「美人までは読めます。」わたしもパッとみて美人までは読めました。一緒♡笑

これはね、この半切サイズで完結している文章なので解説いれられます。

「怨情 李白」
美人捲珠簾
深坐嚬蛾眉
但見涙痕濕
不知心恨誰

美人 珠簾(しゅれん)を巻き
深く坐して蛾眉(がび)を嚬(ひそ)む
但(ただ)見る涙痕の濕(かわ)くを
知らず心に誰をか恨む

・現代語訳
満たされない思い 
美人が珠の簾を巻き上げて、
深く座り美しい眉をひそめている。
よく見ると。涙の跡が濡れたままだ。
心に誰を恨んでいるのか。それはわからない。

・語句
怨情…満たされない思い。
蛾眉…蛾の触覚のような美しいカーブを描いた眉で美人の象徴。

解説としては、宮中にいる女性の満たされない思いをしっとりとロマンチックに描きます。「蛾眉」は蛾の触覚のような美しいカーブを描いた眉で美人の象徴です。

私としては「王鐸」の書風を勉強するために、
王鐸書法による唐詩選から選んでこれを書いています。

そしてこれの解説もまあまあ長いのです。
そう、全体的に解説文を入れると長くなってしまうのです。
本当は書きたかったし、さらにここから感化された私なりの想いとか入れていくとまたさらなる長文になってしまいます。だからこそ、このブログを開設した訳なのです!
みんなに発送する作品の紹介と解説も出来るし◎

1番最初にだした「高貞碑」だってそう。
本当は「高貞碑」の内容だったり書法、諸々解説したいし、自分がどこが好きでどこで苦手でどんな風に気をつけている!とかも書きたかったけど、写真ワールドのInstagramでそんな野暮なことはしたくなかった、というのが理由です。笑

…解説、楽しみにしててね♡